《No.10》
テクノストレス


平成15年3月号

《MEMO》

松竹梅の3つのコースが選べるケアプラン用ソフトを使っていました。知ってる?
ケアマネの仕事もいろいろあるけど、パソコンが使えないと、ちと辛い。支給限度額管理といって、利用者の毎月の利用予定に合わせサービス利用票や提供票という名の勘定書を作るためには、パソコン操作が必須。ケアマネ報酬の請求はフロッピーディスクで提出するよう国保連合会から協力を求められている。もちろん、手計算でなど到底やっていられる代物ではない。ほんっとに面倒臭いんだからね!

介護保険がいよいよ始まるという平成12年4月当初、まともに使えるケアプラン用ソフトは存在しなかった。法律は決まっていても、実際の運用の仕方が当時の厚生省から示されたのがギリギリだったため、ソフト開発が間に合わなかったのだ。

実は、私ってパソコンに堪能かも。「おたく」とまではいかなくとも、詳しいと自負している。だけど、それも環境が整っていればの話。なにせ、ソフトの性能が低い。出来が悪い。処理にやたら時間がかかって、プリンタから帳票の出てくるまでの遅いこと遅いこと。一カ所でも間違えたら使い物にならない紙クズの山。そして、初めからやり直し。しまいには、どれが正しくてどれが間違っているか分からなくなってしまう。こんな作業に時間を費やさなければならないのは、正直バカバカしかった。

「はあ、出た〜」刷り上がりの帳票をわしづかみにして、利用者宅に配って歩く。「あの家と、あっちとこっちと、‥‥とりあえず午前中は3軒行けそうだ。その後、いったん戻ってぇ、それから‥‥」最初の数カ月はこんな感じ。時間に追われ、息詰まる毎日。行き当たりばったり。

Bさんはご主人を亡くし、長男夫婦と同居することになった。社交的な方で、通所系のサービスを介護保険の範囲内で目一杯使いたいという希望だった。要支援と認定されたので、デイサービスだと月8回、デイケアだと7回。長男の妻は、自分が仕事で家を空ける日を中心に組み入れて欲しいと言う。それが「不定期」なのだ。毎月、毎週、利用する曜日と場所が違う。「来月の予定はこうだから、この日とこの日でお願いします。」

数日後に電話がかかってくる。風邪で体調が悪く、デイケアを休んだと報告を受ける。「だからね、1日分余っちゃったのよ。休んだ分、この日にも入れておいてね」仲が悪いわけではないが一緒に暮らすのは初めて。長男の妻は、離れて過ごす時間を何とかして確保したがった。予定変更も頻繁だった。「(ああ、また!)‥‥わかりました」ダッシュでサービス事業所に確認する。「今月×日、空き、ないですか?」OKとなれば、パソコンの画面に向かう。時間がかかる。「これで、いいのかなあ」かくして、溜息とともにご希望に添った予定表が出来上がる。

さらに数カ月後、1通のFAXが届いた。忙しすぎてきめ細かな対応が望めないという理由で、私はBさんのケアマネをクビになってしまった。
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