《No.14》
だめ×2ケアマネ活用法


平成15年7月号


《MEMO》

だめ×2ケアマネにも、こんな使い道があったのね〜。
何だか「バカとハサミは‥‥」のようで、てへへ、気恥ずかし〜。
って、照れてる場合じゃないんだよ。
ケアマネ仲間がこんな話を教えてくれた。「バアちゃんの面倒は私が見る」と張り切って介護に専念していた嫁に、ケアマネがデイサービスの利用を勧めた。試してみると、お風呂にも入れてもらってキレイなバアちゃんで帰ってきた。これはいいということで、週1回の利用が徐々に2回、3回と増え、更にショートステイを使うようになった。バアちゃんが家に居ないことが当たり前になって、ついにはあちこちの施設の長期入所の順番待ちをしている。施設に預けられる度、バアちゃんはこぼすのだそうだ。嫁はときどき部屋に来てドサッと大量の食事を置いていくだけで、何の会話もない、淋しい、と。

「ケアマネも悪いよね。もともと仲の良かった二人の関係を壊したんだから。後々のこと、よーっく考えてサービス勧めないと、罪作りだよね。」

ケアプランを立てるとき、誰の意向を尊重すべきか、判断に迷うところである。利用者と家族(介護者)の思いが違うことは、実際よくある。
どこにも行きたくない、サービスなんか受けたくない、お年寄りは往々にして新しいことや変化が嫌いである。家族は家族で、体力の限界ギリギリまで我慢していたりする。その惨状を見たケアマネは、ジイちゃん、バアちゃんをなだめたりすかしたりして、説得する。サービスを使ってもらわないと、報酬に結びつかないというケアマネの事情もある。上手くいったら、家族からは感謝され、ときにはジイちゃんバアちゃんも喜び、ケアマネ自身もやったぞという満足感が得られる。振り返ってみると、私も家族の顔を見て仕事をしてきたように思う。利用者が痴呆のときなど、特に。

Aさんには、ひどい痴呆があり、小さく痩せていて弱々しい印象があった。息子夫婦と暮らしているが、妻は留守がちで、主に介護にあたっているのは息子さんとのことだった。入浴介助のためのヘルパー派遣と、ショートステイを希望された。介助のやり方を尋ねてみるとやけに荒っぽい。「オレの気の済むようにやるから、いいんだ」と譲らない。なかなか頑固なのだ。

息子さんが席を外したとき、妻が小声で言った。「薄情と思うかも知れないけれど、私は面倒を見たくないのよ。アノ人には何十年と苦しめられてきたんだから」長年の確執、姑が過去にした仕打ちへの恨みつらみが次から次へと噴き出した。息子の妻は、ベテランの看護師で指導的な立場にある人だった。介護に関しても、多くの知識と経験を持っていた。その上で、夫と素人同然のケアマネに全て任せると宣言したのだ。
結果的に、息子さんの希望を実現するだけのケアプランが出来上がった。息子の妻は、一切口出しはしないが、時にはプロの眼で「あ〜あ」と思っていたに違いない。

オイオイ、もしかして私のダメダメは、積年の復讐に利用されたんじゃないの。
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