《No.15》
ビフォーアフター


平成15年8月号


《MEMO》

やっぱりネ、「餅は餅屋」なのよ。餅屋同士のネットワークがうまくいくと、とっても良いのだと実感してます。
古い住宅を劇的に改造することで、不便な生活スタイルを変え、家族が抱える様々な問題を解決するというTV番組があって、私はその番組のファンである。CMでじらされ、何度も何度も同じ場面を繰り返されてイライラしながらも続きが気になり、つい、見てしまう。狭さ、老朽化、使い勝手の悪さが素人目にも明らかなその住宅が、プロの手で驚くほどの変貌を遂げ、見違えるばかりの空間に再生する。家族の歴史や思い出が随所に散りばめられているという趣向もあり、依頼者は感動し、時に涙ぐむ。素晴らしい。こんな風にできたらなあ。

 介護保険の中にも、住宅改修というサービスがあるのはご承知の通り。手すりを取り付けたり、床段差を解消し住環境を整えることで転倒を予防したり、要介護者が他者の手を借りず自分のことは自分でできるようにするのが目的だ。それが自信につながり、介護量の増加を抑え、結果として介護保険料の値上げを防ぐという狙いがある。住宅改修は、ある程度自腹を覚悟していないとできない事情もあり、懐に余裕のある方向けの限定サービスといえるかもしれない。

山形地方の昔ながらの民家は、寒さ対策のためか家の中央にある居室をぐるりと廊下で囲む造作になっている。壁はなく、仕切りは障子か襖で、一体どこにどうやって手すりを付けたらいいの?と迷うところだが、プロは、あっと驚く見事なバリアフリー住宅に仕上げたりする。

山形では地縁血縁のつながりが深く、住宅改修を専門業者ではなく、知り合いの大工さんにやってもらうケースも少なくない。私も、何件かの手続きを代行した。改修前と後の改善度合いを示す資料として、証拠写真を貼付することになっているのだが、気のいい職人さんが写真を撮る前にひょひょいと工事を始めて、気がついたら出来上がっていたということもあった。また、工事後の写真は美しく見栄えのする床面や新品の便器などが大写しで、肝心の改修箇所がピンぼけで判りづらく、市役所の窓口での説明に四苦八苦することもあった。利用者が喜ぶなら、いいんだけど、さ。
専門業者だからといって、安心はできない。「コレ、ばあちゃんの身体のサイズに合ってんの?」、カタログから抜き出したバリアフリー商品のツギハギ、料金トラブル等々。ケアマネ同士で情報交換することがあったが、どうも当たりハズレの世界らしい。

ケアマネにはケアマネの苦労がある。申請代行は、どんなに頑張っても無報酬。毎回、マニュアルと首っ引きで、多くの時間とエネルギーを費やし、ほかの仕事は後回し。それはひどいと手数料を市町村からいただいていた時期が実はあった。1件あたり税込み2,100円也。高い?安い?ケアマネ料自体が値上がりした今は、それもなくなってしまったそうだ。

「ああ、なんということでしょう。」
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