《No.11》
チーム体制


平成17年4月号
都市における、大規模災害時の救急医療をテーマとしたTVドラマ『救命病棟24時』が終了した。子供たちも眠い目をこすりながら真剣に見ていた。希望の明日へとつながる感動の最終回。でも、でもね、ちょーっと、待ったー。

何日も不眠不休で働いている医療スタッフの服はいつだって小綺麗で、ちっとも汚れていないじゃん。1週間も食中毒で苦しんでいた人がいきなり現場復帰なんて無理でしょう。それよりも何よりも、このドラマの救命救急センターには医師と看護師しかいなくて、薬剤師スタッフが一人も登場しなかったっていうのが許せない。
「いくらドラマだからって、そんなの、変。」

やっぱり薬剤師って存在感が薄いのね、チームの一員として登場する価値なしということなのねとガッカリしてしまった。医薬品の供給、適正使用のための情報提供、衛生的な環境の整備。危機回避には、薬剤師って結構いい仕事するのよ。もう。
「薬剤師もチームに入れろー。何なら、私が出演するぞー。」

介護の場合も、同じ。一人や二人のヒーロー、ヒロインが何でもかんでも役割を背負いきれるわけ、ないじゃない。介護保険が始まる前は家族が悲鳴を上げていた。介護保険が始まってからはケアマネが悲鳴を上げている。もう少し経つと保険料が跳ね上がって、全員が悲鳴を上げるかもしれない。そろそろみんな気がつき始めた。

「オカザキさん、今、大変なんだねえ。ほいづん読んだよ。」
前々回、前回と、実家の母の介護話が続いたため、思わぬところで思わぬ人から声を掛けられることが多くなった。同業者で顔見知りの人だけでなく、初対面の方からもそんなこと言われちゃって赤面。
ほいづん、恐るべし。
「しょうがないよな、みんな年取るんだもの。ウチの親父だってさぁ‥‥。」
「おたくも、ですか。」

数年前に比べて、「介護」が身近に迫ってきているのを感じる。あっちにもこっちにも介護を必要とする人がいる。家族の中の誰かが介護の必要な状態に陥ったら、その都度、家族内の役割分担の再編は避けられない。
母の介護で実家を行ったり来たりしている最中に、我が家の年寄りばあちゃんも腰を痛めて入院した。子供たちの面倒を見てくれている姑への負担は一気に加速する。申し訳ない。

一人の老人を多くの若者が笑顔で抱え上げている、ケアマネの教科書に載っていたイラストが頭に浮かぶ。今から50年後の解説には、若者二人が苦しい表情で一人の老人を持ち上げている図が書かれていた。高齢化が進むというのは、現実にはこういうことかと思う。

50年後、もし生きていたら、私は抱え上げられる老人の立場だ。子供たちは私を見捨てないでいてくれるかしら。
自信がない。よーし、体力をつけ介護予防に励まないと。
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