《No.13》
医薬分業考


平成17年6月号



《MEMO》

薬九層倍(=薬の売り値は原価に比べて非常に高く、儲けが大きいということのたとえ)。昔はそうだったかもしれない。
今は、ほとんど儲けはないな。指導料や技術料で何とかやりくりしているのよ。
医薬分業が進展してきた。院外処方せん受取率の推計値は、全国平均で50%を越えている。処方せんの院外発行を採用する病医院が増えた。最近、多く見かけるのが、診療所と隣接する薬局の同時オープン。どうして?

法律上、医師は処方せんを交付することが義務づけられている。ただし、患者さんから特に希望があった場合には、「例外的に」自分の書いた処方せんによって医師自ら調剤することができる。(実態は、忙しい医師に代わって、事務スタッフが薬を渡すことが多いようだ。でも、本当は違法。)昔は薬局の数も足りなかったので、薬剤の院内交付が定着してしまったのであろう。一方、町の薬局はもともと調剤するためにあるのに、今まで医療機関から処方せんが発行されなかったため本来の役目を果たさずにきた。
「日本では、医師が薬を売り、薬剤師が雑貨を売っていると言われていたんだ。俺たちは、磁気ネックレスとドリンク剤を売って頑張ってきたんだよ。」大先輩の薬剤師が自虐る。

 薬価差益が縮小し、院内で薬剤を管理するよりも、処方せんを発行する方が、医療経営のリスクが少なくなるように診療報酬が改定されてきた。薬に関する医療訴訟も多くなっているため、安全性確保の面からも、薬の説明は薬剤師に任せて診療に専念することを選ぶ医師が増えてきた。

本来の姿になったのだ。それが決まりなのだと今さら言われても、診療を終え、いったん外に出て薬局で調剤するというスタイルは、不便、二度手間と評判が悪い。患者さんの負担をできるだけ軽減するため、医療機関側は近くに薬局があることが好ましいと考える。

患者さんが薬局を選ぶとき最も重視する点は、医療機関に近いということなのだそうだ。次に、営業時間が長いこと、待ち時間が短いことと続く。近ければ近いほど、薬局にとってみれば、その病医院のほぼすべての処方せんを見込めるので、経営基盤が安定するというメリットがある。大きな病院の門前で、たくさんの薬局が軒を並べる光景を見たことがあるでしょう。

エイブル薬局も、診療所のほぼ隣に位置している。パチンコ屋の景品交換所と表現する人がいたけど、失礼ね。患者さんの中には、病医院と薬局の間には何らかの契約があるものと誤解している人もいるが、契約などない。むしろ特定の薬局への誘導や、その見返りの金品利益の受け渡しは禁止されている。処方せんは日本全国どこの薬局に持って行ってもいいし、隣にあるからそこに持って行かなくてはならないというものではないのだ。評判を聞きつけて病医院や医師を選ぶように、薬局もどうか選んで欲しい。そこまで薬剤師の力量など問わないと言われば、それまで。

ああ、こんなこと書いちゃって。明日から処方せんが激減したら、どうしよう〜。
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