《No.7》
大震災のこと


平成16年12月号



《MEMO》

山形は災害が少ないから住みやすいと多くの人が言う。本当かな。
私が生後3ヶ月の時、隣家が火事を出し、我が家も全焼したそうだ。着の身着のまま焼け出されたところに赤十字からもらった毛布がありがたかったと、昔、母が言っていた。
今まで災害に遭わなかったからって、これからも遭わない保証はないと思うんだけど。
台風災害に続き、新潟県中越地震が発生した。隣県を襲った大きな災禍に心を痛める一人である。
「病気の人や高齢者はどうしているんだろう。避難している人の健康状態は‥‥」

ライフラインの復旧もままならず避難所で不自由な生活を余儀なくされている方が、まだまだたくさんいるようだ。現地に赴くこともなく、いかにも見てきたように書くのはナンだが、避難所生活って、いったいどんな感じだろう。

厚労省や新潟県のホームページには「(介護施設の)災害等による定員超過の特例」、「避難所での訪問介護等」という文言が見られるところから、被災した特養などの施設入所者はもちろんのこと、在宅生活を送っていた要介護者の多くも、安全のため近隣の施設に定員を超過して身を寄せていると考えるのが妥当であろう。受け入れ側も精一杯に違いない。果たして十分なケアは受けられるのであろうか。ショートステイ枠はあるのか。介護サービスを調整するケアマネの苦労も容易に想像できる。

薬剤師会でも、災害時に編成される医療救護班とは別に薬剤師ボランティアを緊急に募って、医薬品や、紙オムツ、カイロなどの生活用品を供給したり、薬の相談にあたるなどの支援活動を行ってきた。
被災地でのニーズは時間が経つにつれどんどん変わる。震災直後は、疲れと寒さからくる風邪症状、足腰の痛み、おにぎりやパンばかりの生活で口内炎、胃腸の不調、便秘症状、また、環境の変化とストレスのための不眠の訴えが多かったそうだ。水が使えず速乾性の消毒薬やウェットティッシュで手指の消毒を行ったため手が荒れ、ハンドクリームが必要になった。洗濯ができず下着の替えもないため、パンティライナーが意外に役立ったそうだ。復旧がすすむと家に戻って片付けをして指や手を切ったり、ケガをする人が増えてきた。

トイレの問題は深刻だ。仮設トイレは数不足、和式で手すりがなく不便、臭い、汚いなどが指摘された。高齢者や要介護者のために洋式のポータブルトイレが避難所ごとに配布されたそうだが、他人との共用はどうしたって抵抗がある。衛生面からもいただけない。避難所のトイレと手洗い場が離れていて、手を洗わない人が多く、感染症が流行った避難所もあった。消毒剤で手荒れはするし、遠くて面倒なら手を洗わない人が増えてもおかしくはない。

今回は、車中で避難生活を送る人も多い。命にかかわるエコノミークラス症候群の予防策の一つとして、水分を十分摂ることが有効とされているが、トイレが汚いので飲水を控える人までいるそうだ。

阪神淡路大震災の教訓は生かされているという評価だが、いざ、自分の住む場所が災害に見舞われたら‥‥。
一刻も早い復興を心から願っている。
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